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ソーラー・インパルス:空上の革命

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2014年6月、成功裏に初飛行へと旅立った太陽光飛行機HB-SIB。太陽光飛行機の重量は、中型飛行機とほぼ同等の2300kgである。© Solar Impulse

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各17.5PSの4つの電気モーターは、日中は1万7000以上の太陽光発電セル、夜間は633kgのリチウム・ポリマー蓄電池から電気を供給される。平均速度は、毎時70kmである。© Solar Impulse

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太陽光飛行機HB-SIBの翼幅は、ボーイング747−81機よりも大きい72m。ソーラー・インパルスに装備された1万7000以上の太陽光発電セルは、相当な面積を必要とする。© Solar Impulse

ソーラー飛行機“ソーラー・インパルス”の完成により、石油エネルギーを一切使わずに長距離を飛行するという夢が現実のものとなる。

新しい輸送手段のコンセプト 

スイスが取り組む最新の技術革新である“ソーラー・インパルス”は、燃料を一切使わず、また、環境に害のある排気を排出せずに昼も夜も飛ぶことができるソーラー飛行機である。これは、すべての分野の持続的な輸送手段の開発にとって、真の革命である。飛行機一台が排出する有害ガスは、排気ガス浄化装置付き自動車500台分に相当する。そのため、飛行機は、以前から、エコロジストたちの間で議論の標的とされていた。ローザンヌ連邦工科大学の技術者と科学者からなるチームが、航空技師アンドレ・ボルシュベルクとヴォー州の精神科医であるベルトラン・ピカールのもとこのパイオニア的プロジェクトに挑んでいる。

ベルトラン・ピカールは、研究者の家庭に育った。父親のジャック・ピカールは、深海潜水史上初めて、深さ1万916mのマリアナ海溝で潜水探検を果たした人物である。また、祖父のオーギュスト・ピカールは、世界初の気球による成層圏到達を果たし、成層圏から肉眼で地球の水平線の湾曲を見た世界で最初の人物だった。ベルトラン・ピカールは、父と祖父の影響を強く受け、世界で初めて、気球による無着陸世界一周を遂げた人物となった。そして、ソーラー飛行機“ソーラー・インパルス”と共に再び冒険の旅に出る。

軽量飛行機での旅

7年間の調査、開発、計画、試験の期間を経て、一人乗りソーラー・インパルスの初の試作機HB-SIAは、 2010年4月、ヴォー州にあるパイエルヌ飛行場から離陸し、約2時間のテスト飛行に成功した。この大変に軽やかで、優雅な“鳥”のようなソーラー飛行機のコックピットは、与圧されておらず、翼幅がエアブスA-340と同等の63,4mもありながら、重さが1600kgと中型乗用車程度しかない。日中は、1万2000個の太陽電池パネルのセル、夜間は、日中の太陽光エネルギーを充電する重さ400kgのリチウム電池が4つの電気エンジン(各10馬力)を動かし、平均時速70kmの速さで飛行する。 

世界一周

2013年は、アメリカ横断ミッションが行われる。ソーラー・インパルスは、多くの航程に分けて、東海岸のサンフランシスコから西海岸のニューヨークまでを飛行する。その間、次世代の飛行機のために多くの重要なデータが蓄積される予定である。試作機HB-SIAの経験を踏まえ、現在、与圧システムの装備、および、エレクトロニクスをさらに発展させた2機目の試作機HB-SIBの製作が進んでいる。このモデルは、大陸、および、海洋横断飛行が可能となる。ソーラー・インパルス社は、ソーラー船の世界一周飛行を5区間に分けて行う計画を立てており、飛行ルートは、赤道にほぼ沿って取られ、基本的には、北半球を通る。2015年に予定されているソーラー・インパルスの世界一周飛行は、5つの大陸での途中着陸が行われる。理由として、ひとつには、操縦席が1つしかないため、操縦の交代を行うためであり、また、各地で一般の人々、政治機関や研究施設に向けてのプレゼンテーションを行う計画も立てられている。

“ソーラー・インパルス2”壮大な計画(ドイツ語)