ミネルギー:未来型住宅のための規格
今年1月、スイス西部に位置するフリブール州は、凍てつくような寒さに見舞われた。外の気温は、マイナス6度。高台の小さな村ヴィラルローに、ひときわ目立って建つ現代的なデザインの個人住宅があり、その建物の室内にある温度計は、19度を示している。特別なのは、この建物に暖房機器が無いことである。断熱効果に優れた断熱材と窓ガラスが年間を通じて、建物の内部を適切な温度に保っており、太陽光と居住者が排出する熱がこの建物の唯一のエネルギー源である。
より規模の大きなケースは、2007年に完全改築が施された、72棟の、特に子供の多い家族向けに作られたチューリヒ市内にあるブルネンホフ住宅団地である。この集合団地は、そのカラフルな外壁の色が人目を引いただけでなく、厚さ20cmの断熱材により建物内部の熱が外に逃げず、多くのエネルギーが節約できる住宅としても注目を集めている。さらに、暖房は、家庭ゴミ焼却場から出る熱を利用したエコロジーな地域熱供給システムが使用されている。
スイスでは、以上に挙げた2例を含む約1万5000件の建物がミネルギー®規格として登録されている。この規格は、10年以上前に作られ、エネルギー効率やエコロジーを基本コンセプトとして新築、および改築された建物に与えられる特別な認定である。
最大60%のエネルギー節約
スイスでは、住宅で使われるエネルギーが環境に多大なる影響を与えている。国内で使われている総エネルギー量のうち、3分の1以上が建物の暖房と温水を作ることに使われているため、この分野には、エネルギー節約の大きな可能性が秘められている。
従来の住宅と比べ、ミネルギー住宅では、最大で60%のエネルギーを節約することができる。ミネルギー規格には、特別な建材や技術の使用が定められているわけではない。冬に暖められた室内の空気が失われないための断熱強化と夏に十分な温度調節ができるよう適当な換気設備の設置が求められているだけである。さらに、ミネルギー住宅には、暖房機器の設置が禁止されているわけではなく、ヒートポンプや木質ペレット(おが屑などを圧縮成型した小型固形燃料)、ゴミ焼却場から出るエネルギーを利用した地域熱供給など、再生可能エネルギーによる暖房設備が推進されている。
成果の増大
ミネルギー住宅の建築費は、従来の技術を使った住宅建設より10%~15%ほど高い。にもかかわらず、ミネルギーは、聡明でエコロジーな建設方法にお金をかけたいと思う人々に大きな賛同を得ている。ミネルギー規格ができた1998年以降、スイスには、あらゆるカテゴリーを含めた約1万5000件の建物がミネルギー規格を取得している。独立団体が、建築物の熱工業技術を監視し、ミネルギー規格の認定を行っている。
現在、新築の建物の13%、改築の2%がミネルギー規格に認定され、その数は、上昇傾向にある。エネルギーコストの値上がりを背景に、スイスでは、この新しく持続的な建設技術は、将来的にも有望である。
ミネルギー規格を受けている建物には、個人住宅に限らず、集合住宅、学校、役所、商業施設なども含まれている。
外部サイトへのリンク
- ミネルギー協会 (英語)



