太陽エネルギー
太陽電池で発電したエネルギーで走行する乗り物の開発は、世界的に行われており、スイスも太陽エネルギー開発の分野で目覚しい成果を遂げている。
ソーラーカー
ビール・エンジニア学校(現在、ベルン技術・建築高等専門学校)では、1985年からソーラーカーの研究開発を行っており、90年代に入り、 ビールの技術者が開発したソーラーカー“スイス・スピリット”シリーズが、オーストラリア縦断3,000Kmレース“ワールド・ソーラー・チャレンジ”において優秀な成績を収めた。
ルツェルンのルイス・パルマーは、ルツェルン技術高等専門学校の技術者たちの協力のもと、ソーラーカー“ソーラー・タクシー”を開発し、2007年には、“地球温暖化を阻止する方法を示す”ことを目的に、ソーラーカーでの世界一周を果たした。
ソーラーボート
スイスの湖では、ソーラーボートを見ることができる。太陽エネルギーを利用して航行するカタマラン型の世界一の大きさを誇る大型客船“モビキャット”が2002年に開催されたExpo02で活躍し、スイス各地の湖で博覧会を訪れた多くの観客を乗せて航行した。Expo02における“モビキャット”の目的は、環境問題の提言ではなく、輸送手段としてのソーラーボートの可能性を示す機会として多くの人に紹介された。特に、Expo02では、ムルテン湖に浮かぶフランス人建築家ジャン・ヌーヴェルが設計したモノリスを見学するために多くの人々が“モビキャット”を利用した。
2006年から2007年にかけて、マルティン・ヴォッセラーと造船技師のマルク・ヴュスト率いる“トランスアトランティック21”チームは、ソーラーボートのカタマラン“サン21”に乗って、大西洋横断を果たした。2007年、マルティン・ヴォッセラーは、将来のエネルギー活用のモデルとなるその功績を称えられ、スイス・ソーラー賞を受賞した。
ヴォー州イボナンでは、ソーラーボートのトゥリマラン“プラネットソーラー”で世界一周にチャレンジする計画が進んでおり、ソーラーエネルギーの可能性を広く示す機会となる。
飛行機、そして、宇宙へ
精神科医でもあるベルトラン・ピカーが、初めて中間着陸なく熱気球で世界一周を果たしたのは、1999年のことである。現在、彼は、太陽発電の軽量飛行機の開発“ソーラー・インプルス・プロジェクト”に関わっており、2009年には、36時間連続飛行、2011年には、無着陸の世界一周飛行が計画されている。
太陽エネルギーを利用した乗り物は、宇宙にまでその活躍の場を広げている。ローザンヌ連邦工科大学は、太陽エネルギーを利用した火星探査用のミニ・飛行ロボットの開発“スカイ・セイラー”プロジェクトを行っている。