個人金融情報の保護
スイスの銀行システムを見る上で、銀行機密の問題ほど、多くの伝説や神話、間違った想像を掻き立てるものはないだろう。ある人にとって、銀行機密は、切っても切れないスイスのトレードマークの一つのように映り、別の人にとっては、政治的な論争に値する疑わしく極めて有害なしくみと考えられている。前者の見解がポジティブ過ぎるのに対し、後者はネガティブ過ぎる見解であるが、両方の主張は、事実に反している。真実は…。
銀行機密は、スイスの銀行に顧客情報を第三者に伝えることを禁じている。(無条件ではく、例外はある。)この点に関して言えば、銀行員にとっての銀行機密は、医者にとっての守秘義務と同様である。顧客の情報は、銀行ではなく、顧客自身に属する。銀行は、守秘義務を銀行側から取り消すことはできないが、顧客は、守秘義務を解き、情報伝達の権限を与える、もしくは、情報伝達を義務付けることができる。守秘義務を破った銀行員は、禁固、または罰金刑に処される。
2010年2月、連邦政府は、スイス金融市場における合法資金戦略の具体策を示した。スイス政府は、匿名による源泉課税により、それぞれの国が税収を得る権利と国民が資産に関するプライバシーを保護する権利という2つの要請を両立させた。
基本
銀行機密は、プライバシーの秘密厳守の長い伝統から生まれ、スイスの銀行の評判を作った。1934年に法律として制定された銀行機密は、スイスの法律として特に特殊性を持つものではない。銀行機密は、銀行、および金融システムの発達した国々では、別のさまざまな形で適用されており、よく知られている概念である。
境界
スイスの銀行機密は、ずっと以前から、資金洗浄、テロリストが背後に潜む資金、汚職やその他の重大な犯罪の関与が疑われる資金には、法的に適用されていない。6さまざまな民法上の規定、借金の取り立てに関する法律、破産法、刑法、行政法、刑事事件の法的介助に は、銀行機密の例外が定められている。銀行機密は、顧客の希望に反して、司法関連の政府機関や監督官庁の要請により撤回できる。
加えて、2009年3月、連邦政府は、一部の項目について保留としていた経済協力開発機構(OECD)の租税条約モデル26条に従うことを決議した。これにより、スイスは、経済協力開発機構の納税手続きの基準に従い、各国との二重課税条約の見直しを行い、脱税詐欺行為のみならず、明らかに疑惑のある場合に限り、納税の回避に関しても守秘義務解除の要求に応えることとなった。公正な国内の顧客に対する守秘義務は、引き続き有効とされている。
外部サイトへのリンク
- 個人金融情報の保護-連邦財務省 (英語)
- 銀行機密と国際税金問題-連邦財務省 (英語)
- 銀行機密-スイス銀行協会 (英語)
