冬の風習
スイスの冬には、様々な風習がある。
顕現日
1月6日は、キリストの誕生を祝って東方の三博士が来訪したという伝承に基づく顕現日と呼ばれる祝日である。
この日、各地方では東方の三博士に扮した人達(3人以上)が各家庭を廻り、歌を歌って門付けをする“シュテルンジンゲン”が行われる。三博士に扮した人達は、三博士がキリストを導いたことをあらわすシンボルとして、星のついた杖を持っている。地方によっては、クリスマスの前から“シュテルンジンゲン”の準備を始めているところもある。
また、この時期、シュヴィーツで開催される鞭打ちの大会“ガイスレヒレップフェ”や日本人に扮したカーニバルの団体が3人の騎士と楽団を率いて、観客にお菓子をばらまきながら行うパーレードなど、スイスの各地で宗教的風習以外の祭りも行われている。
シルベスタークロイゼ
スイスの田舎では、新年に厄払いの意味を込め、怒った形相や悪魔のお面を付けて祝うことが慣わしとなっている。ウルネシのシルベスタークロイゼのお面は女性の顔と男性の顔があり、女役は頭に大きく豪華な飾りを被り、男役は首にカウベルを付ける。
1582年、ローマ教皇グレゴリウス13世は、ユリウス暦を改正したが、アッペンツェル・アウサーローデン州の大多数を占めるプロテスタント教徒は暦の改正を拒否したという歴史がある。そのため、現在でもシルベスタークロイゼは、旧ユリウス暦に従い、1月13日に農家を一軒一軒回って新年の挨拶をする。
クラインバーゼルのフォーゲル・グリュフ
クラインバーゼル(小バーゼル)は、ライン川の右岸に位置し、裕福な人々が住む左岸のグロースバーゼル(大バーゼル)と昔から張り合ってきた。フォーゲル・グリュフは、1月13日、20日、27日と毎年順繰りに開催日を変えてクラインバーゼルで行われている。
紋章に用いられる動物、半鳥半獅子の“フォーゲル・グリュフ”、野生の男“ヴィルト・マァ”、獅子“ロイ”が、ドラムバンドと3人の旗手に率いられ踊りながらクラインバーゼルの町を練り歩き、その脇で、4人の“ウェリス”と呼ばれるひょうきん者が、“貧しい”クラインバーゼルのための寄付を集める。
この風習は、野生の男“ヴィルト・マァ”の登場によって始まる。“ヴィルト・マァ”は、ライン川の両岸につながれたボートの筏に乗って登場し、左岸の裕福なグロースバーゼルに背中を向け、クラインバーゼルの人々のグロースバーゼルに対する反感を表現する。
シュリッテダ
グラウビュンデン州のオーバーエンガディンには、毎年1月か2月に行われている有名な馬ぞり祭り“シュリッテダ”がある。この祭りは、その昔、この地方の交通手段が唯一、そりと馬であり、人々が結婚式や葬儀、コンサート、ダンスパーティーに行くの際に馬ぞりを使っていたことを思い出させる。




