映画
スイスには民間の映画会社はなく、映画制作は国の資金援助によって行われているが、ドイツ語、フランス語、イタリア語などの全ての国語を網羅する映画を制作するには十分ではない。
世界的に有名なスイス映画はあまりないが、国外で映画製作に関わるスイス人や、外国の映画監督が、住む場所としてスイスを選ぶなど、映画界との関わりは多様である。
1970年代、フランス語圏の映画監督アラン・タネールとジャン・リュック・ゴダールは、スイス映画を有名にした。パリで生まれたゴダールは、子供時代から青春時代にかけてをスイスで過ごし、後に彼の映画人生の舞台となるパリに戻った。その他、ダニエル・シュミット、フレディ・ムーラー、ロルフ・リッシ、イーヴ・イェルサンなどの映画監督はスイスに住んで映画制作に取り組んだ。
ロルフ・リッシ監督の代表作である『スイス人製造者』は、ユーモアあふれる手法で「70年代、スイス人が市民権を守るために何をしなければならなかったか」をテーマに描いた。その他、スイスのコメディ映画として、ダニエル・シュミット監督の『ベレジーナ』『スイス最後の日』が挙げられる。シリアスな映画としては、人里離れた山間部の近親相姦を取り挙げたフレディ・ムーラー監督の『山の焚き火』が挙げられる。同じく山岳地方の田舎で撮影されたイーヴ・イェルサン監督の『ささやかな遁走』は、ドイツ語圏の週刊新聞“ゾンターク・ツァイトゥング“でスイス2001年度のベストフィルムに選ばれた。
クサヴァー・コラー監督の『ジャーニー・オブ・ホープ』は、クルド人家族がスイスに出稼ぎに行くためにアルプス越えをするという実際にスイスであった出来事を題材にした映画である。この作品は1991年、オスカーを受賞した。
その他、スイス人のマルク・ホルスターが監督をし、女優ハル・ベリーが主演したアメリカとカナダの共同作品『チョコレートMonster's Ball』もオスカーを受賞した。
世界の映画界で最も知られるスイス人は、現在までに6回もオスカーを受賞している映画プロデューサーのアーサー・コーンである。